


サスティナブルな活動をしている。事業をしていると名刺交換をする機会があるが、紙の名刺ってすぐ捨てられてしまう。しかも事業内容が変わるたびに名刺を印刷しなおさないといけない。それってエコではないですよね
京都府にてSDGsやサスティナブルをテーマに活動されているlife of purpose様。
個人のライフ・キャリアコンサルティングのほか、社会全体が多様性にあふれ持続的に豊かさを享受できるソーシャルグッドな取り組み全般を応援しています。今回、名刺の制作をご依頼いただきました。
名刺デザイン/ステッカーデザイン
クライアント:life of purpose様
制作期間:50日
京都府にてSDGsやサスティナブルをテーマに活動されているlife of purpose様。
life of purposeという名前は「The purpose of life is to live a life of purpose.」(人生の目的は目的のある人生を生きることだ。)に由来しているそうです。
個人事業主として活動されている中で名刺交換をすることが多いlife of purposeさんですが
ふとこういった困りごとをお聞きしました。
「名刺交換ってエコではないですよね」
確かによくある名刺は紙なので少なからず環境に負荷をかけてしまいます。
またlife of purposeさんは個人事業主のため、事業の範囲も広くそれを名刺に書くと文字だらけになってしまいます。
仮に新しい事業ができたとすればそれを記載するためにわざわざ印刷を刷りなおさないといけません。
また紙の名刺は捨ててしまう方もいらっしゃるかと思います。
一方で現代のビジネスでは、やはり名刺を「交換する」という行為も自分を覚えてもらう上ではとても大事なことは確かです。
交換するということは相手の手元に物として残るので思い出してもらうきっかけになりますし
名刺交換というのは自分を表現するチャンスがあります。
「名刺を持たない」という選択も考えたそうですが、名刺交換の機会も多く、
名刺を持っていないと覚えてもらいにくい意味でもハードルが高いと感じたそうです。

■要件の整理
上記の想いを含めていろいろとお話ししていく中で、
「エコな名刺」について考えていきました。
単にエコな名刺といっても考え方によって様々です。
①小さな名刺
単純に名刺自体を小さくする方法。
使う紙が少なくなるのでその分エコになります。
実際の名刺交換でもインパクトはありますし、名刺として存在するので交換もできます。

②こだわり抜いた名刺
捨てられないことに重きを置き、保存したくなると思うような名刺を作る方法。
つまりは名刺自体に価値をつける方法です。
こちらも名刺交換もできますし、インパクトを与えた上で「エコ」であるといえます。

③素材を変えた名刺
エコな素材を使った名刺なんてどうでしょう。
紙メーカーの中にはエコな紙を製造しているメーカーもあります。
間伐材から作られる紙や、バナナの皮から作られる紙。
捨てられるはずだったものが名刺に変わればそれは「エコ」ですよね

④何か別のものに紐づける
名刺って紙じゃなくてもいいのでは??という発想です。
例えばなにか物に刻印をしたり、食べられる名刺にしたりすると名刺だけの機能ではなくなります。
よって他の役割も持たせることができるので、単体より「エコ」ですよね

こういったことをディスカッションしていきながら、
目指す「エコ」の定義を定めていきました。
特に③と④には共感していただき、それをベースにしていこうということになりました。
■デザインプロセス
エコの方向性が見えてきたらいよいよ制作に入ります。
お話しする中で、名刺交換をするシーンによって
二種類の名刺を使い分けるように運用することにしました。
一つは再生紙の名刺。
こちらは③の捨てられるものから作るという考え方です。
やはりかっちりとした場では以前までの紙の名刺もまだまだ必要になるという考えになりました。
こちらの名刺は再生紙で使われており、製造過程も環境に配慮したものでです。
さらに印刷するインクもエコ仕様になっておりとことん環境に配慮したものとなっております。
こちらの紙選びも再生紙や間伐材を使ったもの、バナナの皮を使ったものなど
たくさんあり、その製造過程からエコにこだわったものや、
製造する過程で後進国の雇用を生み出すものまで様々です。
guerrillaもエコな紙があることは知っていましたが、こんなに多くの種類があるとは知りませんでした。
※画像は個人情報保護加工をしております

二つ目はステッカーにした名刺。
これは、④の考え方をベースに進めました。
事業内容もやることも様々なlife of purposeさんならではで
いま関心のあることや物に貼り付けられるようにしています。
例えばフードロスに取り組んでいたとしたら、その食品にステッカーを貼り付けてプレゼントをしたり
資料に貼り付けて配って紙を少なくしたり
名刺を紙でつくるよりコストも少ないですし、なにより名刺自体に他の役割を与えることができるのです。
でも何かに貼り付けるというのは名刺の主張が少なくなるということでもあります。
物に貼り付けると、名刺ではなく物に意識が行ってしまいます。
よくお菓子の箱に印刷されているQRコードがありますが、それってなかなか読み込まないですよね。
QRコードというのは便利なようで意外と手間がかかります。
読み取り側にわざわざスマホを出してもらい、カメラアプリを開いてという動作を考えると
なんだかめんどくさくなってしまうと思います。
せっかく作ったのに読み込まれないとなると残念な気持ちです。
なので今回はその手間を惜しんででも「読み込みたくなる」ようにしようということになりました。
QRコードをそのまま貼るのではなく、少しロゴ調にしてみたりして「えっこれ読み込めるの?」
という形にしました。
ぜひ読み取ってみてください!

お気づきかと思いますが、この2つの名刺は掲載する項目は最低限にしてあります。
life of purposeさんが当初おっしゃっていた事業内容の変更に対応できるように
基本的な項目だけ名刺に掲載し、Webページで事業内容をまとめたサイトを作ることにしました。
事業内容の変更はWebを編集すればいいので名刺にQRコードを載せておけばわざわざ刷り直すこともありません。
こんな名刺があってもいいじゃない。
支持するかしないかはあなた次第です。
■納品
今回いただいたご要望をもとに、
素材がエコな名刺と、何かに貼り付けられるエコな名刺の二種類を作成しました。
単にエコな名刺と言ってもいろいろな考え方があります。
あなたの名刺のこだわりポイントは何ですか?
ぜひguerrillaにお聞かせください。